IAI LABEL(IMPROVISING ARTISTS INCORPORATED)
ジャズの世界では、ミュージシャン(たち)が自主レーベルを立ち上げて[録音/運営]している例が数多くある。
古くはチャーリー・ミンガスの時代から現代に至るまでミュージシャンズ・レーベルを探すのは、そう難しいことではない。
そんな潮流の中、日本では耽美派と位置付けられ国際的評価も高いポール・ブレイ(1932年カナダ、モントリオール出身)も自分のレーベル「IAI」を1974年に設立した。
このレーベルの特徴は、ピアニスト、ポール・ブレイにスポットを当てたものが多いのはもちろんだが、その中のさらなる特徴はメジャー・カンパニーからは出しづらいインプロヴィゼーション(即興)に重きをおいた作品で満ちあふれている。また、「IAI」のアルバムは美的感覚に溢れたジャケット・デザインで貫かれている。
それを担当しているのがキャロル・ゴスという女性で、彼女はレーベル創設以来のパートナーとして知られている。
ブレイのほか、ジャズ界最大の異端児サン・ラのソロ・アルバムを2枚録音しているほか、ラン・ブレイク(p)、スティーヴ・レイシー(ss)とマイケル・スミス(p)のデュオなど、全てのアルバムにクリエイティビティが貫かれている。「IAI」では、映像にも力を入れておりブレイやサン・ラのほか意外なところでは、これまた異端の作家、ウィリアム・バロウズのものまで11タイトルがカタログに載っている。
- IAI 37.38.42 “Breakthru” – BLAKE ブレイクスルー
ラン・ブレイク(ピアノ) - IAI 37.38.43 “HOLLAND/RIVERSVol. 1” デイヴ・ホランド/サム・リヴァースVol.1
サム・リヴァース(ソプラノ&テナー・サックス)、デイヴ・ホランド(ベース) - IAI 37.38.45 “Pyramid” – KONITZ/BLEY/CONNORSピラミッド
リー・コニッツ(ソプラノ&テナー・サックス)、ビリー・コナーズ(ギター)、ポール・ブレイ(ピアノ) - IAI 37.38.48 “RIVERS/HOLLAND Vol.2″リヴァース/ホランドVol.2
サム・リヴァース(ソプラノ&テナー・サックス)、デイヴ・ホランド(ベース) - IAI 37.38.39 “Quiet Song”- BLEY/GIUFFRE/CONNORS クエイエット・ソング
ポール・ブレイ(ピアノ)、ジミ-・ジュフリー(クラリネット)、ビル・コナーズ(ギター) - IAI 37.38.50 “Sun Ra, Solo Piano” サン・ラ、ソロ・ピアノ
サン・ラ(ピアノ) - IAI 37.38.51 “Almanac” -NOCK/MAUPIN/MARSHALL/ NOCK/McBEE アルマナック
マイク・ノック(ピアノ)、ベニー・モウピン(サックス)、セシル・マクビー(ベース)、エディ・マーシャル(ドラムス) - IAI 37.38.53 “Axis” – BLEY Solo Piano アクシス:ポール・ブレイ(ピアノ)
- IAI 37.38.56 “Kundalini” – ROBINSON/ROY/VASCONCELOS クンダリニ:ペリー・ロビンソン(クラリネット)、タバル・ロイ(タブーラ)、ナナ・ヴァスコンセロス(パーカッション)
- IAI 37.38.57 “Karmonic Suite” – JACKSON/LAKEカーモニック・スイート:マイケル・G・ジャクソン(ギター)、オリヴァー・レイク(アルト&ソプラノ・サックス)
- IAI 37.38.58 “Sun Ra – St. Louis Blues – Solo Piano”セント・ルイス・ブルース:サン・ラ(ピアノ)
- IAI 37.38.59 “IAI Festival”-GIUFFRE/ KONITZ/BLEY/CONNORS IAIフェスティヴァル:ジミー・ジフリー(テナー&ソプラノ・サックス、フルート)、リー・コニッツ(アルト・サックス)、ポール・ブレイ(ピアノ)、ビル・コナーズ(ギター)
ポール・ブレイ:Paul Bley
1932年11月10日にカナダのモントリオールで生まれる。
子供のころからバイオリン やピアノといった楽器に親しみ、1950年にはジュリアード音楽院で作曲/指揮法を学 び、チャールズ・ミンガス、オーネット・コールマン、ドン・チェリーらとの共演を 果たす。
サヴォイ、フォンタナ、ESP、ECMといったレーベルに多数の録音を残し、日 本では“耽美派”ピアニストと呼ばれ愛されている。
また1976年の初来日以来、たびたび来日している。