「スペイス・イズ・ザ・プレイズ」がDVDで発売されたり、ブリ ジット・フォンテーヌとアート・アンサンブル・オブ・シカゴ(勿論、レスター・ボ ウイ入り)の名盤『ラジオのように』が、映画「阿修羅のごとく」のエンディング・ テーマで使用されたり、IAI関係ミュージシャンの知名度アップの現状は著しいもの がある。
無論、IAI関係ばかりではなく60~70年代のハードかつ独自な表現をしてきたクリ エイター達が真摯な意味で、見つめ直されている。
その現象は、日本のミュージシャンも同じでトリオレコード時代に労苦を惜しまず当時先端の音楽をレコーディングしてきた稲岡邦弥さんが制作した作品を中心に、紙ジャケット仕様で2月までに「70 年代日本のフリー・ジャズを聴く!」とシリーズ・タイトルされて30タイトルもよみがえる。
シリーズの監修者でもある稲岡さんは、ポール・ブレイの友人でもあり、今回のIAIとの契約時にサポートしてくれた方でもある。
いまだ人気が衰えない阿部薫 の作品、1973年に2週間にもわたって開催された一大イベント「インスピレーション・ アンド・パワー」のライヴ作品などは、触ると壊れそうなほどの貴重品。
山下洋輔トリオ、高木元輝、吉沢元治、豊住芳三郎などのクリエイテビティに溢れる演奏は、い まだ時間に押しつぶされずに新鮮。
よくぞ、ここまでまとめて、といいたくなるが、やはり、こうした作品群はまとまってこそ生まれる何かがある。
IAIはといえば、明日、(2004年1月8日)新たな3タイトルが完成する。
ジャズ史上最も美しいと言っても過言ではないスティーヴ・レイシーとマイケル・スミスのデュオ『サイドラインズ』を筆頭に、レスター・ボウイ&フィリップ・ウィルソンの『デュオ』、マリオン・ブラウン&ギュンター・ハンペル『リーズ&ヴァイブズ』が紙ジャ ケ仕様でよみがえるのだ。
ファン諸氏の手に届くことを強く望みたい。